1 処方の具体的内容は? |
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40 歳代 男性 (パニック障害、前立腺肥大症、高血圧症、高脂血症)
処方
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コンスタン錠(0.4 mg) |
6 錠 |
1 日 3 回 毎食後 |
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アーチスト錠(10 mg) |
1 錠 |
1 日 1 回 朝食後 |
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セルタ錠(0.15 mg) |
1 錠 |
1 日 1 回 夕食後 |
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ハルナールカプセル(0.1 mg) |
1 Cap |
1 日 1 回 朝食後 |
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デパス錠(0.5 mg) |
1 錠 |
1 日 1 回 就寝前 |
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2 何が起こりましたか? |
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- 上記の処方から 4 週間後の診察において、患者から「最近、仕事に追われる悪夢をよく見てうなされる」との訴えがあった。
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3 どのような過程で起こりましたか? |
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- 当該患者は、パニック時の動悸のために β-遮断剤のアーチスト<カルベジロール>を朝 1 回だけ服用することになっていた。しかし、患者は血圧が高めであり、顔がほてるようなことがあって気にしていた。
- 患者は、アーチストが血圧も下げる薬であることを知っており、自己判断で朝 1 錠以外に、昼と夕に 0.5 錠ずつ服用していた(以前に飲み残していた薬剤を使用)。このことが、「最近、胸のドキドキが昼も夜もするし、血圧も高いような気がするので少しずつ小分けしてまめに飲むようにしている」という患者の会話から明らかとなった。
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4 どのような状態 (結果) になりましたか? |
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- 患者への服薬状況のインタビューの中で本事実が発覚した。患者にはそのような症状に頓服で使用する目的で処方したのではなく、薬の服用時間と服用法を自己判断で調節しないように注意した。
- 4 週間後の来院時、患者は「おかげさまで仕事の夢を見なくなりました」とコメントした。
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5 なぜ起こったのでしょうか? |
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- β-遮断剤は悪夢、不眠などの睡眠障害を惹起することがある。当該患者は、もともと眠りに入りにくかった。アーチストを午前中に投与することで、睡眠時のβ-遮断剤による中枢作用を予防できるであろうという意図で、アーチストの服用を朝 1 錠が処方されていた。
- しかし、患者が勝手に自分の飲む薬の服用時期を変更し、夜に薬を服用することとなってしまった。
- 医師、薬剤師からの服薬指導が不備であったと考えられる。
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6 二度と起こさないために、今後どう対応しますか? |
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- 患者に対しては、勝手に服用薬剤の時期などを変更しないように、また体調の変化があれば、電話でもよいから医師、薬剤師から連絡して指示を仰ぐように指導することが必要である。
- 特に睡眠導入が困難な患者においてβ-遮断剤を使用する場合は注意が必要であろう。
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7 その他特記すべきことは? |
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