東京大学大学院薬学系研究科 医薬品情報学講座 医薬品ライフタイムマネージメントサービス 育薬セミナー

UPDATE:2005/12/27

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セミナー開講の主旨 ならびに内容のご案内など
  セミナー開講の主旨
 

 東京大学大学院薬学系研究科情報学環医薬品情報学講座)では、「医薬品適正使用・育薬」をテーマに、日々の業務(一般調剤業務、処方せんチェック、疑義照会、服薬指導など)を最新の情報に基づいてブラッシュアップするため、文京区薬剤師会・福岡市薬剤師会と共催で「医薬品適正使用・育薬セミナー」(通称:育薬セミナー)を開催しております。日々の薬剤業務の中でのヒヤリハット事例(場合によっては投薬過誤・事故事例も取り上げます)を徹底的に解析し、同じ過ちを二度と起こらないようにするための実践セミナーです。研修コンテンツとしては、「処方せんチェック・ヒヤリハット」コーナー「Prof. Sawada の医薬品適正使用・育薬トレーニング」コーナー、更に、新薬や繁用医薬品にスポットをあてて徹底的に最新情報を追求する「クローズアップ DI」コーナーなどを設けております。
  本育薬セミナーでご提供する多彩な研修コンテンツは、いずれも、薬剤師としての日々の薬剤業務を隘路なく実施するための薬学的知識、技能、態度の一層の充実を目指したものですが、全ての研修コンテンツは相互に深く関係しておりますので、全てに参加して継続的に研鑽を踏むことが真に「医薬品適正使用・育薬」を理解し、これを実践するために必須であると考えております。
 これらのコーナーの主旨について以下に説明致します。


  1.「処方せんチェック・ヒヤリハット」コーナー・
    「Prof. Sawada の医薬品適正使用・育薬トレーニング」コーナー
 

 処方せん鑑査、処方せんチェック、処方設計支援は薬剤師の行う薬剤業務の中でも、医薬品適正使用のための入り口となる重要な業務の一つです。日々の処方せんチェックの中で、「この処方には一般的に問題がある」、「この処方はこの患者にとっては問題がある」といった経験をされた薬剤師の先生方は大勢いらっしゃると思います。

 「処方せんチェック」コーナーでは、具体的な「処方せんチェック」事例を取り上げ、最新の薬学的な知識、技能、態度の徹底的な研鑽を深めて頂きます。
 日々の薬剤業務(処方せん鑑査、疑義照会、医薬品の調製・調合、調剤鑑査、服薬指導、医薬品の受発注など)を行う中で、投薬ミスに至らなくてもニアミスを身近に経験された方も大勢おられると思います。「ヒヤリハット」コーナーでは、実際事例(場合によっては投薬過誤・事故事例も取り上げます)を取り上げ、「何が起こったのか?」、「どういう経緯で起こったのか?」、「なぜ起こったのか?」、「今後、二度と起こさないためにどうのように対応するのか?」などについて薬学的知識、技能、態度の観点から臨場感をもって徹底的に研鑽を積んで頂きます。
 上記「処方せんチェック」事例、「ヒヤリハット」事例を使用した研修コーナーは、薬剤師の薬学的知識、技能、態度を向上させ、「医薬品適正使用・育薬」を完遂させるためにも、そして最終的には患者さんのためにも欠かせないことだと思います。両コーナーは、全国ネット(薬剤師間情報交換研修システム:Internet based pharamacist's information sharing system: i-phiss、アイフィス)あるいは福岡市・文京区薬剤師会会員から寄せられた、日々の業務において遭遇した「処方せんチェック、疑義照会、ヒヤリハット・過誤・自己」などの事例を、我々が精細に解析し、参加者全員に「どうチェックする、どう問い合わせる、なぜ起こる、どう防ぐ」といったノウハウを積極的に教授するものです。すなわち、日々の「処方せんチェック、一般調剤、服薬指導など」の業務が一層充実すること間違いありません。

 また、「Prof. Sawada の医薬品適正使用・育薬トレーニング」コーナーでは、我々から<処方せんチェックと疑義照会>と<服薬インタビューでの説明と確認>に関するクイズが交互に提出され、それについて次の回で我々から模範解答例などを提示し、詳細に解説するものです。「問題ある処方を見逃さない」、「患者さんへ充分な薬の説明と間違いなく服薬して頂くための充分な確認をはかる」ためにほんの些細な点も見逃さない、徹底的処方せんチェック、徹底的服薬指導のノウハウを習得して頂きます。処方せんと患者基本情報を見たらあたかも「鳥瞰図」を見るがごとく問題点を確実に把握できる!それも 10 秒以内に!これが可能となります。正にプロ中のプロですね。


  2.「クローズアップDI」コーナー
 

 薬の体の中での動きと働きをファーマコキネティクスとファーマコダイナミクスの観点から理解することは、「医薬品適正使用・育薬」を目指す薬剤師にとっては最大の武器となります。
 このコーナーの主な内容は、新薬や繁用医薬品とそれらの関連医薬品を徹底的に情報解析するというものです。

  • この薬は腎排泄か?代謝型か?胆汁排泄型か?
  • 体内動態の特性は?
  • 臨床的に意味のある薬物相互作用が起こるか?
  • この薬の薬効・薬理効果(臨床効果)、副作用・有害事象は定量的に他の薬に比べてどのような位置づけとなるか?
  • この薬が関係した処方せんチェック・疑義照会はどの様に行ったらよいか?
  • この薬の一般調剤(薬剤の調製など)にはどのような注意が必要か?
  • 患者への服薬指導上の注意点(説明と確認)には何があるか?

 など、薬剤師が持っていなければならない薬学的知識、技能、態度の全てが含まれています。

 薬の体の中での動きと働きを定量的に理解することによって、これまでとひと味違う、医師や患者に「なるほど」と言わせる「処方せんチェック、疑義照会、服薬指導」を確実に実践できるようにするための徹底的研鑽コーナーということになります。


  3.ミニコーナー
 

 本育薬セミナーでは、上記メインコーナー以外にも、次の二つのミニコーナーを設けています。

「Dr.Hori の育薬リサーチ徹底理解」コーナーでは、添付文書やインタビューフォームに記載されている学術的かつ難解な用語(例えば、トランスポーター、遺伝子多型、競合阻害、MBI など多数)について、実際に研究を行っている当研究室のスタッフがわかりやすく解説します。添付文書やインタビューフォームに記載がある限り、もう「知らなかった」「わからない」は、通用しません。いまさら人には聞けない知識もきちんと学べます。数年後に薬局を訪れる 6 年制の実務実習生にもきちんと対応できます。新しい科学的知識を習得するための情報を提供しています。
「Dr.Miki の先取り医薬品適正使用インフォメーション」コーナーでは、主に臨床的に重要だと考えられる医療用医薬品、一般用医薬品、サプリメントなどの副作用・有害事象や薬物相互作用に関して、当研究室のスタッフができるだけ最新の情報を交えメカニズムの解説と有害症例を紹介しています。現場で最新情報に基づく処方せんチェックに役立てて頂きたいと考えています。

  内容のご案内
  開催場所

・文京区:文京区区民センター
  (所在地:文京区本郷4-15-14 TEL: 03-3814-6731)
 このセミナーに関する連絡先:文京区薬剤師会事務所 (TEL: 03-5802-6831) 
・福岡市:福岡市薬剤師会館
  (所在地:中央区今泉1-1-1 TEL: 092-714-4416)
 このセミナーに関する連絡先も同上

 

開催予定日

月2回の予定
文京区:第2、第3火曜日,福岡市:第2、第3木曜日
 

参加者

薬剤師ならどなたでも参加できます
 

参加費
(資料代として)

文京区、 福岡市共:  500円(1回あたり) 
 

開講時間

  1. 「処方せんチェック・ヒヤリハット」コーナー
    午後7:00〜7:30
    演 者:東京大学大学院 薬学系研究科 医薬品情報学講座 (澤田康文 他)
    進め方:演者から事例が発表され、それについて議論する
  2. 「Prof.Sawada の医薬品適正使用・育薬トレーニング」コーナー
    午後7:30〜7:40
    演 者:東京大学大学院 薬学系研究科 医薬品情報学講座 (澤田康文 他)
    進め方:演者によって処方せんチェックなどのクイズが提出され、それについて演者側から回答例などが紹介される
  3. 「Dr. Hori の育薬リサーチ徹底理解」コーナー
    午後7:40〜7:45
    演 者:東京大学大学院 薬学系研究科 医薬品情報学講座 (澤田康文 他)
    進め方:添付文書やインタビューフォームに記載されている学術的かつ難解な用語について当講座のスタッフがわかりやすく解説します。
  4. 「クローズアップDI」コーナー
    午後7:45〜8:55
    演 者:他薦・自薦の薬剤師
    進め方:演者によって40分間程度のプレゼンテーションが行われ、その後、参加者との間で30分間程度のディスカッションを実施する。その間、関連分野の補足説明が行われる。
  5. 「Dr. Miki の先取り医薬品適正使用インフォメーション」コーナー
    午後8:55〜9:00
    演 者:東京大学大学院 薬学系研究科 医薬品情報学講座 (澤田康文 他)
    進め方:主に臨床的に重要だと考えられる医療用及び一般用医薬品、サプリメントなどの副作用・有害事象や薬物相互作用に関して当講座のスタッフが解説します。

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